カウンセリングで一番重視したのは、人が信用できない、心が開けないというところです。
そこで特に重視したのはお母さんとの関係性のところです。
そして、次に注目していったのが妹さんとの関係の中で起きてきていることです。
人間不信の多くは、まず最初に家庭の中で起きてきてしまっています。
そこで、まずは、お母さんとの関係性を見直していくというところから取り組んでいくことにしました。
大切なのは、お母さんと気持ちのレベルでのコミュニケーションをしていくということです。
K子さんには、お母さんに否定されたり、お母さんに対してイライラすることがあると、何も言わずに黙って部屋に閉じこもってご飯を食べないことによって訴えるという行動パターンがあったので、何かあったときに、ちゃんと言葉で気持ちを伝えるということをやっていってもらいました。
また、お母さんに何も言えなくなってしまうのは、過去の嫌なイメージが大きく影響していたので、イメージ療法でそのブレーキになってしまっているイメージを変えていくということをやっていきました。
そして、妹さんのことが気になるということに関してもイメージ療法で過去に抱えてしまった思いを変えていくと同時に、現実の目の前で気になっている事をちゃんと妹さんに伝えていくということをやっていってもらいました。
そのようにして、まず家族との関係性の見直しをしながら、実際のコミュニケーションを変えていくという実践していくことによって、少しずつ心を開くことができるようになっていきました。
そして、家族との信頼関係を取り戻すことできていった上で、友達関係や外での対人関係を見直していくということをやっていきました。
そのような取り組みによって、人への信用を取り戻して、自分自身への信頼というものも取り戻していくということができるようになりました。
このようになっていくと自然と食へのこだわりも薄くなっていき、当初抱えていた食事の制限や偏り、運動強迫、気分の浮き沈みというものがみるみるうちに克服されていきました。