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摂食障害と仮面の事例

摂食障害と仮面の事例

痩せていることがアイデンティティ

さて、なぜこのような、
“痩せていなければ価値がない”
といったような信念=コアビリーフを抱えた仮面が出来上がってしまったのでしょうか?
その理由をちゃんと押えていくことがとても大切です。

自分の価値は、
”痩せていること”
痩せていることこそ、自分のアイデンティティ・・・
“自分=痩せている自分”
摂食障害になる多くの人が、そのような自己イメージを抱えています。
それでは、なぜ、そのようになってしまうのでしょうか?

そのような信念を持ち始めるには様々な経緯があります。

とても多いケースとして、自分に自信を無くしてしまった時のダイエットです。

優等生が陥りやすいケース

それでは、それを具体的な事例で見ていきたいと思います。
例えば、裕美(仮名)さんの場合。
裕美さんは高校2年生。 中学校まではいつも成績はトップクラスの優等生。
でも、成績がよかったので進学校に入学したのですが、高校では思うように成績が伸びません。
今まで成績がいいのが自慢だったのに、思うようにならず悩んでいました。
そして、勉強だけではなく、友達ともあまりうまくいっていませんでした。
グループができていて外されてしまい、何か疎外感と孤独感を感じていました。

家ではどうかというと、裕美さんは長女で下に中学生の弟がいました。
お母さんは弟の部活や塾の面倒ばかりで、私の面倒はあまり見てくれないといった状況でした。

高校に入ってからはお母さんとあまり話す機会もなかったし、何かと”お姉さんなのだから”とか、”ダメでしょ”とか、”ちゃんとしなさい”という否定的な言葉が返ってくるばかりなので、今更、お母さんに頼るつもりもありませんでした。
だから、お母さんに悩み事を相談するなんてとんでもないこと。そのような状況で、あまり頼る人もおらず、自分に自信も持てなくて不安な気持を抱えながら、ダイエットを始めることになります。
少しぽっちゃりしていて、弟にデブと言われたり、両親に“少しぽっちゃり系だね”などと言われていたことも少し気なっていました。
そして、たまたま学校の周りの人たちがダイエットしているという話を聞いたのをきっかけに、ダイエットを始めることになります。

完璧主義が大きく影響

完璧主義の裕美さんは、食事を今までの半分ぐらいに減らして運動もするということを徹底的にやっていきます。
するとたちまち体重が減っていきました。

勉強や友人関係、家庭での居場所もないという状況の中、ダイエットだけがうまくいき、達成感やコントロール感を味わっていきます。
周りの友達は結局ダイエットに成功する人がなかなかいない中、自分だけがダイエットに成功して優越感を味わいます。 
“すごいね” 
“キレイになったね”
“スマートだね” 
と周りからも褒められチヤホヤされるようになります。
そうして、ダイエットで痩せたことによって自信を取り戻し明るくなって、友達ともうまくいくようになっていきます。自信を無くし沈みがちで不安や寂しさを抱えていた裕美さんが、ダイエットの成功で自信を取り戻したのです。

ここまでは、いいかと思います。

これで、めでたしめでたし、で終わればいいのですが、そうはいきません。そこが摂食障害です。

ダイエットの成功が問題になっていく

さて、裕美さんその後を見ていきたいと思います。裕美さんは、ダイエットが成功して周りからも認められて、ダイエットの成功が、裕美さんに自信を取り戻してくれたのです。
友達ともうまくいくようになったのですが、実はそれは表面的なものでもありました。
裕美さんは、自分の弱みを見せられない、“強い人仮面”をかぶっていました。
ダイエットに成功して自信を取り戻したのですが、それは一時的なもので、今度はその状態をキープするために、前より一層ダイエットに力が入ることになります。家では相変わらずで、不安や心配なことをお母さんに話すことはできません。
強い人仮面をかぶっているので、友達に自分の弱みは見せられないので、ダイエットの大変さや悩みの話などは友達にしたことがありませんでした。
お母さんにも、一度、ダイエットのことを相談しようとしたら、逆に怒られてしまって、もう二度とお母さんには相談しないと決心していました。
家では何でもないふりをして、一人で悩むことになってしまいます。頭の中は、ダイエットのことと食べることでいつもいっぱいになっていってしまいました。

ダイエットから過食、そして過食嘔吐へ

そうしている内に、イライラすることが多くなってしまい、そして、いよいよダイエットにも限界が来てしまい、過食衝動が激しくなっていってしまいます。
過食衝動は、太ることへの恐怖心を激しく煽ってしまいます。そうして、やがてインターネットで見た、吐いてしまえば大丈夫という方法を試すことになります。
“食べても吐けば大丈夫”
“こんな楽な方法があったんだ!!”
こうして、過食嘔吐がやめられなくなっていってしまいます。
でも、誰にも相談できないので、ダイエットの成功から、ダイエットの悩み、そして、罪悪感を抱えながらの過食嘔吐へと移行していき止められなくなってしまいます。誰にも相談できず、痩せをキープするために過食嘔吐を繰り返していきます。

あまりいいことでないという罪悪感を抱えながらも、ダイエットに成功して、スマートで強い自分というイメージを壊したくないので、益々酷くなってしまうという悪循環へと堕っていきます。

強い人仮面は、強くてスマートな自分をキープするために、何でもない顔をして、誰にも相談したり頼ることなく、摂食障害の深みへと陥れていってしまいます。

これがよくあるパターンでもあります。

さて、このようになってしまったのは何故なのか?
一体、過去に何があったのか?
なぜ、強い人仮面をかぶることになってしまったのか???
そこには、仮面とインナーチャイルドが大きく関わってきます。

それでは摂食障害は具体的にどのように克服していけばいいのでしょうか?

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