摂食障害を治そうとすると、まずこの“痩せていなければ価値がない”という信念を抱えた“仮面を問題視して、その信念を変えようとしたり、その信念に基づく行動である、食事制限であったり、過食や嘔吐などをコントロールしようとするのですが、必ずこの試みは失敗に終わってしまいます。
それは、この“痩せていなければ価値がない”という信念を抱える仮面は、最終的な結果として出来上がった仮面であり、それは結果として現れてくる病気の症状であるからです。
この仮面は、摂食障害という病気の症状なのです。
つまり、風邪で言えば、熱や咳や鼻水なのです。熱や咳や鼻水は風邪の病気の症状です。
薬を飲めば熱を下げたり、咳を止めたり、鼻水を止めることはできます。
でも、もし風邪をひきやすい人の弱い身体を治したいのであれば、いかがでしょうか?
熱や咳や鼻水の症状は薬で簡単に解決することができます。
でも、風邪をひきやすい弱い身体をどうにか強い身体にしたいのであればいかがでしょうか?
身体を強くして、風邪をひき難くい身体にしたいのであれば、根本的な問題の解決が必要になるわけです。
その場合は、薬で症状を抑えるのではなく、免疫力のアップが根本的な解決となるのかもしれません。
この風邪の症状と同じように、“痩せていなければ価値がない”という信念と異常な食行動は病気の症状なのです。
だから、一時的にコントロールしようと思えばコントロールできるのですが、それは根本的な問題解決をしていないので、また必ずぶり返してしまうのです。
摂食障害を治していくには、風邪の症状を薬で抑える対処療法だけでは風邪をひき難い身体をつくることができないのと同じように、根本的な問題解決を通して、仮面に支配されない強い本来の自分のつくりあげていくことが大切なのです。
つまりそれは、病気の症状である、考え方や食行動をコントロールしようとしてもうまくいかないということなのです。
すべきことは、症状を無くすことではなく、その根本にある問題を解決していくことなのです。
そのためには、その摂食障害の症状が発症してきたプロセスを辿り、その源にある問題は何なのかということを明らかにしていくことが必要になってくるのです。