摂食障害とは、極端な食事制限や、過度な量の食事の摂取、嘔吐などによる排出によって、 健康に様々な問題が引き起こされるもので、拒食症と過食症を総称したものです。人間関係の問題による心理的なストレスや不適応、コミュ ニケーションの不全などが原因とされていると考えられています。さらには、過去の心の傷や自分自身の捉え方や考え方も大きく影響しています。
過食症は、ほとんどが女性に起きる病気です。その過食症の背景には、女性はやせているほうが美しいという社会的な価値観が根強くあります。
過食症という病名から、一般的には「食べたい病気」だと思われていますが、実は「痩せたい病気」なのです。痩せようとするダイエットの反動として過食が起こっているのです。
また、「ダイエットの反動としての過食」とは別に、「ストレス解消としての過食」もあります。これは、普通の人のストレス解消のためにする「やけ食い」と同じ種類のもので、「無茶食い過食」と呼ばれています。
一方、拒食症は、「過食を伴う拒食症」と「過食を伴わない拒食症」の2つに分けて考えられます。「過食を伴う拒食症」は一般に治るのに時間を要します。過食と拒食が入り混じった複雑な状況にあることがひとつの要因になっています。
「過食を伴わない拒食症」の人には、「過食を伴う拒食症」の人とは違った「痩せたい気持ち」があります。「過食を伴う拒食症」の人は「痩せることは、美しくなること」に直接的に結びついているのですが、「過食を伴わない拒食症」の人は、痩せてきれいになりたいという願望よりも、「太るのが怖い」という「恐怖」に支配されています。