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摂食障害の仮面とインナーチャイルド

摂食障害の仮面とインナーチャイルド

強い人仮面とインナーチャイルド

それでは、ここからは、“強い人仮面”ができあがったプロセスとその影響について見ていきたと思います。
裕美さんの“強い人仮面”は、高校生になってから、できあがったわけではありませんでした。仮面の多くは幼少の頃にできあがっていくものです。
裕美さんには弟がいました。そして、いつもお姉さんらしい振る舞いを求められていました。
裕美さんは、そのような要求にいつも応えてきたのです。
また、お母さんは仕事をしていて、いつも仕事と家事で忙しいそうでした。
大変なお母さんの負担になってはいけない。
裕美さんは、我儘は決して言わいない、聞き分のいい子で、弟の面倒もよくみる強いお姉さんでした。
勉強もできる優等生で、そんな強い自分でいるという自己イメージがありました。
だから、辛いことがあったり、泣きたいことがあったり、お母さんに怒られたりしても、ぐっと我慢して従ってきたのです。
“お母さんに迷惑かけてはいけない”
“強くなくていけない”
“甘えてはいけない”
といったコアビリーフをもったインナーチャイルドができあがり、強い人仮面をかぶっていくことになります。

でも、強い人仮面も高校生で限界が来てしまい、摂食障害が発症していってしまうことになってしまうのです。
それは、その内面に弱さを抱えているが故のものです。強い人仮面と同様に内面も強ければいいのですが、裕美さんは内面に弱さを抱え持っていたのです。
その内面と強い人仮面とのギャップが裕美さを苦しめることになってしまうのです。

広がる仮面と本来の自分のギャップ

強い人仮面をかぶり、高校生になった裕美さん。でも、裕美さんは内面に弱さを抱え持っていて、その内面と強い人仮面とのギャップに苦しむことになってしまいました。

裕美さんは、高校生になって色々とうまくいかない事が重なり、限界が来てしまったのです。

では、その内面に抱えていた弱さとは何だったのでしょうか???そして、何故大きなギャップを抱え込むことになってしまったのでしょうか???

まず注目すべきは、仮面を強化してしまった成功体験です。

ダイエットの成功体験が、”痩せさえすればすべてうまくいく”という信念をつくり上げていきます。

仮面の奥の内面が大切

そして、内面の弱さです。まず裕美さんの場合には、“お母さんに迷惑かけてはいけない”“強くなくていけない”“甘えてはいけない”といったコアビリーフをもったインナーチャイルドを抱えており、それが強い人仮面をかぶらせていくことになってしまいました。

そこには、お母さんに甘えられなかった、寂しかったという満たされない気持ちも抱えています。何とか自分が頑張らなくてはいけないという背伸びが、裕美さんの抱える弱さです。甘えられない、人に頼れない、弱さを見せられない・・・・・

そして、それだけではなく、裕美さんは、更に別の弱みも抱えていたのです。
実は、裕美さんには、太っていることをバカにされたというネイがティブな体験を抱えていたのです。
小学校や中学校で、デブと言われたことがあったり、イジメられたり、家族に何かと太っていることを指摘されて否定された経験を持っていたのです。
それが、もう一人のインナーチャイルドを生み出すことになったのです。強い人仮面をかぶらせたのは、この二人のインナーチャイルドです。

成功体験で強化された強い人仮面と、内面に抱える弱さとのギャップがどんどん辛くなっていくわけです。

調子がいい時はいいのですが、何かがうまくいかなくなった時に、心のバランスを大きく崩してしまうのです。裕美さんの場合は、勉強と友人関係でした。

摂食障害の裕美さんのケースのまとめ

それでは、ここで、裕美さんのケースをまとめていきたいと思います。裕美さんは、幼少の頃から強い人仮面をかぶって優等生で頼れるお姉さんというイメージをずっと描いていました。

その裕美さんが、高校生になって、心のバランスを崩してしまいます。それは、今までうまくいっていた勉強と友達関係がうまくいかなくなったことに端を発しています。

そのような心のバランスを崩した状態でダイエットを始めます。心がアンバランスな状態で行われたダイエットは、摂食障害へと結びつきやすいものです。

裕美さんも、高校生になって、自尊心が下がることになってしまったのですが、更に内面に元々の弱さを抱えていました。

それが二人のインナーチャイルドです。

二人のインナーチャイルドは、寂しさと体形へのコンプレックスを抱えていたのです。裕美さんはその内面の弱さを、何とか強い人仮面でカバーしていたのですが、その仮面と内面とギャップが大きくなってしまい、ストレスが増し、モヤモヤやイライラを抱えることになってしまいます。

さて、摂食障害を克服していくには、その根本にある、自尊心を下げてしまった、心の傷、そしてそこで抱えてしまった制限的な信念=コアビリーフと、心の傷を隠すためにかぶっている仮面にアプローチしていくことがとても大切なところになってくるわけです。

それでは、次に、摂食障害の発症していくプロセスを整理していき、摂食障害克服への道へと近づいていきたいと思います。

それでは摂食障害は具体的にどのように克服していけばいいのでしょうか?

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