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摂食障害と頑固な価値観

摂食障害と頑固な価値

痩せていなければ価値がない

摂食障害は仮面をかぶってしまって苦しんでいる病気だとも言えます。
それでは、その仮面についてもう少し掘り下げていきたいと思います。
仮面は、望むような愛情を得られなかったり、傷ついたり、様々なことを言われたり、様々な体験をしたり、社会の枠組みを知ったり、様々な教育や価値観の影響を受けたりしながら、他人と比較したり、様々な事を考えさせられながら出来上がっていくものです。

摂食障害では、その中核的な存在として、とても影響力が強い仮面として、
”痩せていなければ価値がない”
という信念を持った仮面を抱えてしまいます。

これも当然、生まれた後に出来上がってきた仮面です。
摂食障害は、基本的には、コアセルフ=本来の自分が、“痩せていなければ価値がない”という信念を持った仮面に支配されてしまった病気です。

仮面を手放していけばいい

先に触れたように、摂食障害を治していくと言うのは、この仮面を手放していくということです。
仮面を手放すと言うことは、仮面を本来の自分を覆い隠す位置から人格の一部である、サブセルフとして捉えていくということです。
サブセルフとして捉えていくということは、仮面をコアセルフの指揮下に置いていくということなのです。
そして、重要なところなのですが、
“痩せていなければ価値がない”
という信念を抱える仮面は、最終的な結果としてできあがった仮面であるということです。

実は、“痩せていなければ価値がない”という信念を抱える仮面は、様々な仮面ができあがってきた結果として最終的な結論として出来上がった堅固な仮面なのです。

摂食障害の本質へアプローチしていく

摂食障害を治そうとすると、まずこの“痩せていなければ価値がない”という信念を抱えた“仮面を問題視して、その信念を変えようとしたり、その信念に基づく行動である、食事制限であったり、過食や嘔吐などをコントロールしようとするのですが、必ずこの試みは失敗に終わってしまいます。

それは、この“痩せていなければ価値がない”という信念を抱える仮面は、最終的な結果として出来上がった仮面であり、それは結果として現れてくる病気の症状であるからです。
この仮面は、摂食障害という病気の症状なのです。
つまり、風邪で言えば、熱や咳や鼻水なのです。熱や咳や鼻水は風邪の病気の症状です。
薬を飲めば熱を下げたり、咳を止めたり、鼻水を止めることはできます。
でも、もし風邪をひきやすい人の弱い身体を治したいのであれば、いかがでしょうか?
熱や咳や鼻水の症状は薬で簡単に解決することができます。
でも、風邪をひきやすい弱い身体をどうにか強い身体にしたいのであればいかがでしょうか?

身体を強くして、風邪をひき難くい身体にしたいのであれば、根本的な問題の解決が必要になるわけです。
その場合は、薬で症状を抑えるのではなく、免疫力のアップが根本的な解決となるのかもしれません。
この風邪の症状と同じように、“痩せていなければ価値がない”という信念と異常な食行動は病気の症状なのです。
だから、一時的にコントロールしようと思えばコントロールできるのですが、それは根本的な問題解決をしていないので、また必ずぶり返してしまうのです。

摂食障害を治していくには、風邪の症状を薬で抑える対処療法だけでは風邪をひき難い身体をつくることができないのと同じように、根本的な問題解決を通して、仮面に支配されない強い本来の自分のつくりあげていくことが大切なのです。
つまりそれは、病気の症状である、考え方や食行動をコントロールしようとしてもうまくいかないということなのです。

すべきことは、症状を無くすことではなく、その根本にある問題を解決していくことなのです。

そのためには、その摂食障害の症状が発症してきたプロセスを辿り、その源にある問題は何なのかということを明らかにしていくことが必要になってくるのです。

それでは摂食障害は具体的にどのように克服していけばいいのでしょうか?

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