”私が我慢して周りに合わせれば全てうまくいく”
”デートの行き先や食事は全て彼に合わせる”
”いつも友達の好みを先に聞いてそれに合わせる”
”姑の言うことにはたとえ嫌でも絶対に断らない”
”自分の意に沿わないことでも、笑顔で”ハイ!”と応えてしまう”
”母親の言うことにはいつも従ってきた”
”自己主張は絶対せずに必ず周りの意見に合わせるようにしてきた”
あなたには、このようなことはありませんか???
このような対処法をしていれば、人間関係で波風が立つことはないし、
相手の機嫌を損ねることもなく、かえって相手は喜んでくれたりするものです。
”人間関係はこれで全てうまくいく!!”
めでたし、めでたし・・・・なのかもしれません。
でも、摂食障害を抱える人に、このような対人関係の対処方法を取る人が実に多いのです。
きっと、このような対処方法は、本当の思いやりや愛情から生まれてくるものであれば
問題はないのだと思います。
問題となりやすいのは、そこに、
”怖れ”
を抱えている場合です。
怖れから自分を守るための自己防衛手段として対処しているような場合です。
摂食障害を抱える多くの人は、
「皆に好かれたい!!」
あるいは、
「嫌われたくない!!」
という強い気持ちを持っています。
これは、信念=コアビリーフと言われるものにも繋がっていきます。
つまり、
“私は嫌われる”
“私はそのままでは愛されない”
といったような信念です。
嫌われないために、愛されるために、そして、
“嫌われて愛されない”
という事態から自分を守るために自己防衛していくのです。
もう、これ以上傷つかないために自己防衛をしていくのです。
でも、それがうまくいかないと、
「自分の人生を自分でうまくコントロールできていない!!」
と感じるようになってしまいます。
そうなると、自分の人生をうまくコントロールするために仮面をかぶるように
なっていきます。
それが、いい人仮面、強い人仮面、クールな人仮面です。
でも、仮面をかぶってしまうと、
”自分の気持に素直になれない”
つまり、
”自分の気持ちを上手に表現できない”
ということになります。
すると、
イライラしたりモヤモヤしたりといった感情が溜まっていってしまいます。
溜め込むばかりで表現できない感情は、次第に大きく激しくなっていきます。
そして、自分は役立たずだと考えるようになってしまったり、自分を否定的
に捉えていったり、
あるいは、自分の気持ちがよくわからず、気持ちの葛藤でパニックになって
しまったり、
と、持っていき場のない感情でいっぱいいっぱいになっていって
しまいます。
やがて、これらの感情のはけ口として、
過食や拒食、自傷行為や、嘔吐、下剤乱用へと繋がっていきます。
これらは、感情を麻痺させていきます。
摂食障害を克服していく鍵となるのは、
この麻痺させたい感情、つまり持っていき場のない抑圧された感情です。
この持っていき場のない感情にうまく対処していくことが、摂食障害の
克服にはとても大切なところになります。
それが、仮面とインナーチャイルドとコアビリーフの問題でもあります。
それを解決していくためには、対人関係療法では、感情を表現して
解放していくということやっていくわけです。
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