食べたい! 食べたい!
といつも思っているのは、過食症の人だけではありません。
実は、拒食症の人も常に食べたい気持ちでいっぱいで、
頭の中では、いつも食べ物のことばかり考えています。
”食べたいけれど食べられない!”
という葛藤に常に苦しんでいます。
”食べたい!” というのは、まずは身体の欲求です。
そして、以前も触れたように、”食べたい!”というのは感情的な欲求の場合もあります。
でも、
拒食症の人の場合には、身体が飢餓状態にありますので、まずは身体的な欲求に
なります。
そして、でも、
”食べられない!”
というのは、ほとんどが、感情的な ”怖れ”によるものです。
”身体は食べたいのに感情的な怖れで食べられないので、いつまでも欲求は
満たされず、頭の中は食べ物だらけになってしまいます”
さて、
”食べられない!”
という感情的な怖れには、様々なものがあります。
その中のひとつに、
”過食”への怖れと言うものがあります。
”ちょっと食べて止まらなくなってしまったらどうしよう!”
という過食への怖れです。
そして、
過食の先には、
”そのまま、ぶくぶくと太ってしまったらどうしよう”
という怖れも控えています。
過食への恐怖と太る恐怖があるから、とても食べることができません。
ここは、”恐怖”との戦いになります。
つまり、拒食症というのは一種の”恐怖症”の様な要素を抱えている
わけです。
でも、
拒食症の深さはここでは終わりません。
太ることへの恐怖の奥に様々な思いを抱えてしまっています。
拒食症を治していくには、大きな鍵となるところです。
”またあの頃に戻りたくない”
”折角の苦労を無駄にしたくない”
”せめて、体重だけでは他の人に勝っていたい”
”普通の人と同じ土俵の上に立ちたくない”
”特別な存在でいたい”
”皆に心配されていたい”
”また嫌な思いをしたくない”
などなど、人によって様々な思いを抱えています。
まず、ここを解決していくことが、拒食症の場合にはとても大切なところです。
そして、もうひとつ大切なのが、対人関係療法で大切にしている安心をしっかり
と持てる環境を整えていくということです。
”自分に自信がない”
”いつも不安”
”さみしい”
”孤独”
対人関係療法などでここを解決していってあげることもとても重要なところです。
この、太る恐怖心と不安の二つがうまくサポートされて改善されていけば、
恐怖心は薄らいでいくものです。
あと補完的には、イメージ療法などで、恐怖の対象を和らげていくということが
とても効果的になってくるものです。
太る恐怖の根っこからの解決としっかりとした安心感を獲得していければ、
頭の中は食べ物だらけという状態は解決されていくものです。
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