拒食症は昨日も触れたようにその段階によって変化して
いきますので、変化にあった対応をしていくことが大切です。
最初の頃は、なかなか問題を認めようとはしません。
そこには、人には見せたくない弱さを抱えているので、
更に傷つくことを怖れているという理由もあります。
でも、身体の変化や心の変化によって、問題を少し意識し
始める時期に移行していきます。
体調にも如術な変化が現れはじめ意識し始めます。
変えるべきかこのままでいいのか、心が揺れ動く時期です。
この段階では、明確に摂食障害のマイナス面を伝えてあげる
といいでしょう。
マイナス面とプラス面を比較して本人が考えられるようにします。
本人の将来もしっかりと見据えて、本人の将来像や価値観など
人生の未来像を俯瞰して一緒に考えていくようにしてください。
そうして、解決のために行動を始められる時期へと移行していきます。
病院に行ったり、カウンセリングを受けたり、食行動を実際に変えて
いくことになります。
ここでの問題は、体重増加への“恐怖心”です。
この恐怖心との戦いになります。
なんらかの形で恐怖心を取り除いてあげる必要があります。
まず大切なのは、ご家族が安心できる環境を整えてあげることです。
この段階では、催眠療法(ヒプノセラピー)などもが有効に働きかけ
てくれます。
そして、移行期です。
今まで厳格に守られていた食のルールを変えていきます。
ここで注意しなければいけないのは、過食嘔吐への移行です。
拒食がなくなり、折角食べ始めても過食嘔吐をするようになっては
元も子もありません。
本人は食べ過ぎていることを極端に気にするようになりますが、ここで
食べたい気持ちにあまりブレーキをかけないことです。ここで食べたい
気持ちを我慢してしまうとまたリバウンドが来る可能性が高まってしま
います。
我慢は最小限に適度なルールの上に食事を整えていきます。
以上のような移行期をスムースに通過していくためには、
早めのカウンセリングで心のバランスを整えることがお薦めです。
拒食症や過食症の摂食障害は心のバランスが崩れたことにより発症
する心の病気であり、異常な食行動はその病気の症状です。病気の
症状だから本人にはコントロールすることはできません。
食をコントロールするのではなく、カウンセリングで心のバランス
を整えることがいちばん大切になってきます。
そのようなことですから、上記の各段階をスムースに進めていくにはカ
ウンセリングの受診が大変効果的に働いて行きます。初期段階では相談
・勉強会への参加やご家族のカウンセリングなどもありますので是非ご
利用ください。 セミナーはこちら ⇒ https://www.sinbi-s.info/seminar/
また、実際の行動を始める時期に入ったら本人のカウンセリングがとても
大切になります。摂食障害のエネルギーとなっている心のバランスをしっ
かりと整えていく必要があります。
私のところでは、摂食障害のカウンセリングに対人関係療法、
催眠療法(ヒプノセラピー)、認知行動療法を取り入れています。
それぞれの段階、個人の抱える問題や性格、その状態、ご希望などに
応じて柔軟に各療法を取り入れたカウンセリングを施していきます。
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また、基本的な知識として以下の身体の影響は頭に入れておいていただ
けるとよろしいかと思います。
■低体重の影響
過度の低体重を続けることは不健康で有害です。
数々の身体的・心理的・社会的機能への悪影響があります。
以下のような影響が考えられますので早めのご対処をお薦めします。
◆思考 : 集中力を損なう。 常に食べ物のことを考えることになり他の
ことには興味を失う。
◆感情 : 沈みがち。すぐにイライラする
◆行動 : 柔軟性を欠き融通がきかなくなる。食事がセレモニー化する
◆社交 : 内向き志向になって自分の世界に閉じこもる
◆身体への影響
・心臓と循環器 : 心臓が弱くなり、不整脈や脈拍の低下へ繋がる
・性ホルモンと不妊 : 無月経・不妊に陥る
・骨 : 骨の強度が低下し、骨粗鬆症や骨折の危険性増大
・胃腸機能 : 腸の機能低下。 消化力の低下。
・筋肉 : 筋肉が疲労して弱くなる
・肌と頭髪 : 頭髪の脱毛、産毛が顔・お腹・背中・腕・体に生えてくる。
・体温調整 : 体温が下がり寒がりになる
・睡眠 : 催眠が妨げられる。 寝てもすっきりせず、朝早く目を覚ます
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